メダカ観察ケース Kalasäiliö
アクリル板をレーザー加工機で切断してメダカ観察ケースを製作する方法を紹介します．
容器に入れたメダカを観察しようとしても，動き回ってうまくいきません．しかし，薄い容器に入れてやると，メダカは方向転換ができずに隅にとどまります．
プラスチックを射出成形して作った観察ケースが安く販売されていますが，透明度に劣るようです．一方，アクリル製の市販品は透明度に優れて観察しやすいのですが，なかなか高価です．
そこでアクリル板を切断して自分でメダカ観察ケースを作ってみます．メダカの体長やひれの大きさを計測できるように，スケールを彫刻しています．厚さ3mm，A4サイズのアクリル板から2つ作ることができます．
材料リスト
| 販売元 | 品 名 | 型 番 | 数量 | 参考 単価（税抜） |
参考 小計（税抜） |
| Amazonなど | アクリルシート，必要サイズ 260mm x 100mm x 4mm （A4サイズの板で2つ作ることができます．） A4サイズ（297mm x 210mm x4mmの板1枚の売価が600円でした． |
1 | 600 | 600 | |
| マルツオンライン | アクリサンデー接着剤 30ml | 1 | 520 | 520 | |
| 参考 合計（税抜，2つ分） | 1,120 | ||||
step 01
加工データファイル
Adobe Illustratorで加工データファイルを作成します．レーザー加工機の仕様に応じて加工データを作らなければなりません．今回はOh-Laser社の小型レーザー加工機HAJIMEを使いますので，切断する線を太さ0.25ptの赤線で，彫刻する部分は黒色の領域で記しています．
また，レーザーカットする際に切り代が生じます．レーザー加工機の種類や加工パラメータに応じて切り代は異なります．今回の加工では，0.06mmのはめ合い補正を行いました．
ここでは，原寸の加工データファイルと切り代を考慮した加工データファイルを提供しています．
step 02
加工データの転送
レーザー加工機の制御ソフトHARUKAに加工データを転送します．HARUKAは，Adobe Illustratorファイル（.ai）やPDFファイル（.pdf）の他，PostScriptファイル（.ps，.eps）や多くのCADソフトで使われているDXFファイル（.dxf）などを読み込むことができます．
step 03
アクリル板のセット
厚さ3mmのアクリル板をセットして，レーザー加工機のフォーカスを調整します．加工には，縦100mm×横260mmよりも大きなアクリル板が必要です．A4サイズ（210mm×297mm）の板があれば，2つ分の材料を切り出すことができます．
step 04
レーザーカットの開始
今回用いたレーザー加工機では，素材に合わせた加工パラメータがあらかじめセットされているので，その中から「アクリル 3mm」を選びます．
step 05
レーザーカットの完了
切断を終えたら，アクリル板を取り出します．
step 06
必要な部材の確認
切り出したアクリル板を並べました．
step 07
組立1
底板に前後の板をはめ込みます．低い板が前方です．
step 08
組立2
次に，左右の板をはめ込みます．角を丸くカットしている方が前方です．
step 09
組立3
最後に，はめ合わせ部分にアクリル用接着剤を流し込んで接着します．この接着剤はアクリル表面を溶かして接着するものです．接着剤は隙間に流れていきますが，はみ出ることも多く，これを放置すると跡が残ります．素早く拭き取るといいでしょう．きれいに接着するには慣れが必要です．
step 10
完成
メダカ観察ケースの完成です．
市販品は上面がフラット，スケールが片側1つのものが多いです．このメダカ観察ケースでは，メダカを入れやすいように上面に段を設けました．また，スケールを前後に彫刻しており，メダカが右を向いていても左を向いていても測りやすいように工夫しています．
データファイル
原寸の加工データファイルと切り代を考慮した加工データファイルはOSFというファイル保管場所を通して提供しています．こちらからダウンロードできます．
Open-Source Medaka Observation Case Kalasäiliö
| ファイル名 | 説明 |
| MedakaCaseKalasailio-Offset.pdf | 厚さ3mmのアクリル板を切断してメダカ観察ケースを製作するための加工データです．切り代を考慮して補正しています． |
OSF上には，ファイル名の最後に「-Offset」の文字がないデータファイルがあります．これらは切り代を考慮していない原寸のデータファイルです．
