スライドグラス収納ボックス Aarrearkku
MDF板(木材繊維を圧縮成形した板材)をレーザー加工機で切断し,はめ合わせるだけで完成するスライドグラス収納ボックスです.内箱を取り外せるタイプと固定されて取り外せないタイプの2種類について,材料リストと製作方法を紹介します.
内箱を取り外せるタイプを製作するには,厚さ2.5 mmと4 mmの2種類のMDF板が必要です.取り外せないタイプは,厚さ4 mmのMDF板だけで製作できます.
材料リスト(内箱を取り外せるタイプ)
販売元 | 品 名 | 型 番 | 数量 | 参考 単価(税抜) |
参考 小計(税抜) |
Amazonなど | MDF板, 必要サイズ 140mm x 170mm x 2.5mm (A5サイズの板で十分です.) 900mm x 300mm x 2.5mmの板3枚の売価が600円でした. これからA5サイズは24枚取れますので,600/24=25円. |
1 | 25 | 25 | |
Amazonなど | MDF板, 必要サイズ 290mm x 200mm x 4mm (A4サイズの板で十分です.) 300mm x 225mm x 4mmの板1枚の売価が110円でした. |
1 | 110 | 110 | |
参考 合計(税抜) | 135 |
材料リスト(内箱を取り外せないタイプ)
販売元 | 品 名 | 型 番 | 数量 | 参考 単価(税抜) |
参考 小計(税抜) |
Amazonなど | MDF板, 必要サイズ 293mm x 240mm x 4mm (A3サイズの板で十分です.) 360mm x 260mm x 4mmの板1枚の売価が150円でした. |
1 | 150 | 150 | |
参考 合計(税抜) | 150 |
step 01
加工データファイル
まず,内箱を取り外せるタイプの加工データファイルをAdobe Illustratorで作成します.左の画像はパソコン画面をキャプチャしたものです.厚さ2.5mm(上)と4mm(下)のMDF材に対してそれぞれ加工データファイルが必要です.
レーザー加工機の仕様に応じて加工データを作らなければなりません.今回はOh-Laser社の小型レーザー加工機HAJIMEを使いますので,切断する線を太さ0.25ptの赤線で,彫刻する部分は黒色の領域で記しています.
また,レーザーカットする際に切り代が生じます.レーザー加工機の種類や加工パラメータに応じて切り代は異なります.HAJIMEを用いてMDF材を切断するとき0.15mmの切り代が生じました.そこで,はめ合い部分は0.075mmずつ補正を行いました.
ここでは,原寸の加工データファイルと切り代0.15mmを考慮した加工データファイルを提供しています.
step 02
加工データの転送
レーザー加工機の制御ソフトHARUKAに加工データを転送します.HARUKAは,Adobe Illustratorファイル(.ai)やPDFファイル(.pdf)の他,PostScriptファイル(.ps,.eps)や多くのCADソフトで使われているDXFファイル(.dxf)などを読み込むことができます.
step 03
MDF板のセット(2.5mm厚)
厚さ2.5mmのMDF板をセットして,レーザー加工機のフォーカスを調整します.加工には,縦170mm×横140mmよりも大きなMDF板が必要です.A5サイズ(210mm×148mm)の板があれば十分です.
step 04
レーザーカットの開始(2.5mm厚)
今回用いたレーザー加工機では,素材に合わせた加工パラメータがあらかじめセットされているので,その中から「MDF 2.5mm」を選びます.
step 05
レーザーカットの完了(2.5mm厚)
切断を終えたら,MDF板を取り出します.
step 06
MDF板のセット(4mm厚)
次に,厚さ4mmのMDF板をセットして,レーザー加工機のフォーカスを調整します.加工には,縦290mm×横200mmよりも大きなMDF板が必要です.A4サイズ(297mm×210mm)の板があれば十分です.
step 07
レーザーカットの開始(4mm厚)
今回用いたレーザー加工機では,素材に合わせた加工パラメータがあらかじめセットされているので,その中から「MDF 4mm」を選びます.
step 08
レーザーカットの完了(4mm厚)
切断を終えたら,MDF板を取り出します.
step 09
必要な部材の確認
切り出したMDF板を並べました.
step 10
組立1
まず,厚さ2.5mmのMDF板を組み立てます.彫刻された数字が内側になるように注意しながら,底板に櫛板2枚をはめ込みます.接着剤なしで済むように窮屈にできていますので,木槌などで叩き込むくらいの力が必要かもしれません.はめ込みがどうしても難しいときには,ヤスリでほんの少しだけ削るとよいでしょう.
step 11
組立2
前後の板をそれぞれはめ込みます.
step 12
組立3
次に,厚さ4mmのMDF板を用いて外箱を組み立てます.
step 13
完成
スライドグラス20枚を収納できるスライドグラス収納ボックスの完成です.
スライドグラスを頻繁に出し入れするときには,内箱を引き上げて分離させて使うと便利です.
step 01
加工データファイル
次に,内箱を取り外せないタイプの加工データファイルをAdobe Illustratorで作成します.こちらのスライドグラス収納ボックスは厚さ4mmのMDF板だけで作ることができます.材料を単一化,規格化できるという点で,こちらの方が優れています.
レーザー加工機の仕様に応じて加工データを作らなければなりません.今回はOh-Laser社の小型レーザー加工機HAJIMEを使いますので,切断する線を太さ0.25ptの赤線で,彫刻する部分は黒色の領域で記しています.
また,レーザーカットする際に切り代が生じます.レーザー加工機の種類や加工パラメータに応じて切り代は異なります.HAJIMEを用いてMDF材を切断するとき0.15mmの切り代が生じました.そこで,はめ合い部分は0.075mmずつ補正を行いました.
ここでは,原寸の加工データファイルと切り代0.15mmを考慮した加工データファイルを提供しています.
step 02
加工データの転送
レーザー加工機の制御ソフトHARUKAに加工データを転送します.HARUKAは,Adobe Illustratorファイル(.ai)やPDFファイル(.pdf)の他,PostScriptファイル(.ps,.eps)や多くのCADソフトで使われているDXFファイル(.dxf)などを読み込むことができます.
step 03
MDF板のセット
厚さ4mmのMDF板をセットして,レーザー加工機のフォーカスを調整します.加工には,縦293mm×横240mmよりも大きなMDF板が必要です.A3サイズ(297mm×420mm)の板があれば十分です.
写真では,内箱を取り外せるタイプをレーザーカットした後,余りのMDF板を使っています.
step 04
レーザーカットの開始
今回用いたレーザー加工機では,素材に合わせた加工パラメータがあらかじめセットされているので,その中から「MDF 4mm」を選びます.
step 05
レーザーカットの完了
切断を終えたら,MDF板を取り出します.
step 06
必要な部材の確認
切り出したMDF板を並べました.
step 07
組立1
まず,箱の底を組み立てます.彫刻された数字が内側になるように注意しながら,底板に櫛板2枚をはめ込みます.接着剤なしで済むように窮屈にできていますので,木槌などで叩き込むくらいの力が必要かもしれません.はめ込みがどうしても難しいときには,ヤスリでほんの少しだけ削るとよいでしょう.
step 08
組立2
蓋の支えとなる前後の板をそれぞれはめ込みます.底板には板2枚分の切り欠きがありますので,隙間ができないように押し込みます.
step 09
組立3
箱の底の側板4枚をそれぞれはめ込みます.
step 10
完成
蓋を組み立てれば,スライドグラス20枚を収納できるスライドグラス収納ボックスの完成です.
データファイル
原寸の加工データファイルと切り代0.15mmを考慮した加工データファイルはOSFというファイル保管場所を通して提供しています.こちらからダウンロードできます.
Open-Source Slide Box Aarrearkku
ファイル名 | 説明 |
SlideBoxAarrearkku-Type1(2.5mm)-Offset.pdf | 内箱を取り外せるスライドグラス収納ボックスで,厚さ2.5mmのMDF板を切断するための加工データです.切り代を考慮して補正しています. |
SlideBoxAarrearkku-Type1(4mm)-Offset.pdf | 内箱を取り外せるスライドグラス収納ボックスで,厚さ4mmのMDF板を切断するための加工データです.切り代を考慮して補正しています. |
SlideBoxAarrearkku-Type2-Offset.pdf | 内箱を取り外せないスライドグラス収納ボックスで,厚さ4mmのMDF板を切断するための加工データです.切り代を考慮して補正しています. |
OSF上には,ファイル名の最後に「-Offset」の文字がないデータファイルがあります.これらは切り代を考慮していない原寸のデータファイルです.